エピカ・ステラ

1998年、プレイステーション。今は亡きHUMAN製作。

HUMANと言えば猫侍やセプテントリオンで有名だが、そんな中でこのゲームは異彩を放っている。ファンタジーな世界に人型ロボットでシミュレーションRPGという、HUMANにしては、いたってまともそうな内容だからだ。

だが、蓋を開けてみると、ただのシミュレーションRPGではなく、独特のシステムと難易度が用意されていることに驚くだろう。

ゴリ押しが通用しないシステム

このゲームではタクティクスオウガに代表されるアクティブターンの他に、行動ポイントと疲労度というものが設定されている。

行動ポイントは移動・補助魔法・攻撃を行う場合に消費され、1ターン100ポイントの中で消費していくことになる。移動力限界まで移動して行動ポイントを消費してしまうと、移動後に攻撃できなかったりするわけだ。

そして戦闘時の行動により疲労度が蓄積する。疲労度が100ポイント以上になってしまうとユニットが行動不能に陥ってしまい、一定時間無防備になってしまう。

疲労度の回復するには、ユニットを待機させた時の残り行動ポイントが多ければ多いほど多く疲労が回復する。つまり、無駄な疲労が後の行動を潰してしまうことになるのだ。

疲労度の蓄積は防御時が顕著で、攻撃時は少ししか消費しない技も反撃として使用すると大量に疲労してしまう。また、ただの防御ですらかなり蓄積してしまうので、敵陣に一人で突っ込もうなら、数回狙われて行動不能になった挙句、無防備なところをタコ殴りにされてしまう。例えそれが防御と回避を鍛え上げたユニットであろうと例外は無い。

この疲労度システムは敵にも適用されるので、小技で数回叩いて無防備にしたり、行動不能覚悟で大技を反撃で繰り出したり、反撃を誘って疲労させて大技を防ぐなどといった戦法が有効になるなど、いかに疲労度を上手くコントロールしていくかが鍵となる。

難易度は鬼

とまで言わないが、難しい部類に入る。

シミュレーションゲームにしては珍しく、レベルアップ時にポイントを割り振る女神転生タイプで、割り振った能力値に応じて必殺技や補助魔法や特殊技能を修得していくのだが、説明書の時点でそこら辺にノータッチ。一番最初に覚えるであろう重要な技ですら必要ポイントが載っていないという投げっぷり。

能力値も実際にどれを上げるべきかという指標が存在せず、平均的に上げようものなら早々に使い物にならなくなるだろう。

だが、この難易度も「何も知らなければ」という前提であり、システムを理解して重要な能力値と取得するべき技が分かるとゲームバランスが正常になり、途端に面白くなる。

また、ゲームが壊れるようなユニットや手段は存在せず、能力値を最高まで上げても突出した性能を発揮したりはしない。ユニットの運用方法が最重要であり、これさえできれば量や質で劣っていても、しっかり勝てるようになっている。

ロード時間ゼロ

日本一ソフトウェアよろしく、シミュレーションパートではロード時間が存在せず、フルポリゴンにも関わらず即座に戦闘が始まる。しかも戦闘シーンがかなり短めに設定されているのでストレス無くサクサクプレイすることができる。

ちなみに、起動時に一気に読むわけでなく、ただ単に読むデータ量が少ないだけのようだ。

ボリュームは中々

1ルート20マップで構成され、大筋の話は3ルート存在し、内2ルートはラストで2分岐する。

1マップ30分~40分で終了するので長すぎず短すぎず、丁度いい長さだと思われる。ロード時間が無いことも加わって、ユニット展開次第ではあっという間に終わったように感じられることもあった。

2ルート目をクリアしたところで微妙に飽きてきたのだが、3ルート目が今までのシリアスな展開が一転してコメディになり、それに合わせてオープニングアニメも変えてきたのには少々驚いた。おかげでラストまでなんとかモチベーションを維持することができた。こういった仕掛けは個人的に嬉しい。

総評

一見複雑に見えたシステムも、触ってみればそれほど複雑でない上に戦略性が高く、ユニットを運用させるのが非常に楽しかった。

攻略情報前提ながらも破綻していないゲームバランスや、プレイ意欲を削ぎ落とさないシームレスなシミュレーションパートなど、実に良くできたゲームと言える。隠れた名作と呼ばれているのも納得がいった。

市場価格は500円~1000円程度。発見次第即救出するといいだろう。

雑感

ゲーム全体でどことなく魔装機神を匂わせているような気がしてならない。いや、パクリというわけではないのだが、なんというか、こう、インスパイアの欠片のようなものを感じるというか、なんというか。

余談

エピカ・ステラを勧める時はキャラデザに一切触れるな、ってばっちゃが言ってた。